先日、Twitter上にて、運航停止となっていました国内線専用機であるANAのB777-300型機の運航再開が話題となっていました。B777-300ERは国際線では主力機の座を射止めていますが、2022年時点では、JALはA350が主力機の座をB777から譲り受け、ANAは機種数からB787が主力機として幹線から地方路線まで広くカバーしています。そのため、B777の影が薄くなりつつあるある状況ですが、B777シリーズの中でもB777-300は国内線では異端の大きさです。一方で、国際線のみで活躍するA380のサイズもギネス級です。
本日のテーマである”日本で最も座席数の多い飛行機は?”に対する答えは、”A380”となります。日本で最も多い座席数の飛行機については巷で話題になるので、歴史を含めて今回振り返ってみます。
過去、日本国内で最大の座席数を誇った機体は下記の通りです。
- B747-400D(スーパーシート27席+普通席542席=569席)
- B777-300(プレミアムクラス21席+普通席493席=514席)
- A380-800(ファースト8席+ビジネス56席+プレミアムエコノミー73席+エコノミー383席=520席)
まずは、B747-400Dについて説明します。この機体はB747-400型機からウイングレットを取り除いた短距離仕様の機体です。DはDomesticの略となります。日本のエアラインのみにて運行されていました。座席数は569席ということで、お盆や年末年始の幹線にて活躍していました。しかし、2010年代にはJAL・ANA共に退役となりました。
B747の特徴である前方のこじんまりした2階席に、国内線専用のB747-400Dは普通席が取り付けられており、1度だけ搭乗したことがあります。座席配置はB737と同じ中央通路1本の両端に各3席並んでいるのですが、満席状態ではかなり圧迫感があったことを覚えています。
続いて、B777-300について説明します。2022年現在、この機体は国内線では最大の座席数を誇ります。筆者も何度か搭乗したことがありますが、最後尾の普通席までが遠い印象を持ちました。また、地上滑走中に誘導路上で曲がった際、最後尾に座っていると横に振られる感覚がありました。これは機体が長い特徴と思われます。PWエンジントラブルを受け運航停止となっておりましたが、今後は新千歳・福岡・那覇といった幹線にて活躍すると思われます。
最後にA380について説明します。ANAが運航するA380、通称”フライングホヌ”は4クラス制にて520席を誇り、2022年時点では日本で最大の座席数となります。4発のエンジンが総2階建ての機体を空に舞い上がらせ、成田空港とホノルル空港の間限定にて運行中です。エアバスのカタログによると、A380をエコノミーのみで運行した場合840席が可能です。しかし、この座席配置を採用したエアラインはなく、各社広いスペースをアピールした戦略を打っています。
今後については、A380を超える巨大な機体が登場する可能性は低いです。なぜなら、A380は既に量産を終えており、ANAについても3機のみの発注・受領に留めています。一方で、B777-300ERよりも大型のB777-9の開発が進んでいますが、こちらは国際線での活躍を予定しています。そのため、B777-300が持つ514席の記録はB777-9によって破られることはないと考えられます。
今後、日本の国内線は中型機による多頻度運航が一層進むと考えられます。そのため、B777-300による運航も遠い将来には見られなくなるかもしれませんね。