北米の空港を離発着する飛行機を映したYoutubeライブを見ていると、ユナイテッド航空に似た塗装のB737を見かけました。調べてみると、”コパ航空”とのこと。あまり聞き慣れない航空会社でしたので調べてみました。
本日のテーマは、”コパ航空とユナイテッド航空の関係性”です。
ポイントは以下の4点です。
- パナマを拠点とする航空会社
- コンチネンタル航空の出資を受けて経営安定化
- コンチネンタル航空はユナイテッド航空と合併
- 【私見】今後も両社はスターアライアンスのネットワーク下で協力体制を維持
まずは、コパ航空の路線網を見てみましょう。
路線網から見て取れるのは、拠点となるパナマをハブとして中米に多くのネットワークを持ち、次に南米、北米にも路線網を持っていることです。同社の保有機材はB737NGシリーズとB737MAXシリーズ、エンブラエル190です。すべて単通路機で揃えられていることから、現在の就航都市よりも更に遠くは難しいと思われます。
続いて、本題となるコパ航空とコンチネンタル航空の関係性を調べてみます。1998年にコンチネンタル航空がコパ航空の株式の49%を取得したことで、両社の提携関係がスタートします。最も大きな提携内容はマイレージプログラムの共通化です。コンチネンタル航空のマイレージプログラムである”ワンパス”を導入したことで、コンチネンタル航空の利用者の取り込みを図ります。合わせてコードシェア便の運航もスタートさせます。更に1999年にコンチネンタル航空が出資比率を51%まで高められました。そのタイミングにてコパ航空のロボはコンチネンタル航空のロゴに似た物へ変更されます。
一方、2010年にコンチネンタル航空はユナイテッド航空と合併しました。この合併では、会社名をユナイテッド航空とし、機体塗装はコンチネンタル航空を踏襲することとしました。あくまでも対等合併である方針であることから、このような方式が取られています。(他にも合併によって設立された新会社名は持株会社United Continental Holdings Inc.、統合会社のCEOはコンチネンタル航空出身)
ユナイテッド航空と合併したコンチネンタル航空ですが、2019年に新塗装が導入されました。新塗装は従来のコンチネンタル航空を踏襲したデザインですが、尾翼はブルーを中心としたものになりました。
最後に、今後のコパ航空の展望を考えてみます。私見となりますが、今後も両社はスターアライアンスのネットワーク下で協力体制を維持すると考えています。言い換えますと、コパ航空はユナイテッド航空だけとの連携にはこだわらないと考えます。その理由として、2006年に旧コンチネンタル航空の出資比率が約10%まで低下しています。出資比率が下がったことで、コパ航空は出資者である自由な提携を結ぶことができるようになります。2022年時点でスターアライアンス以外の提携先として、エミレーツ航空、ゴル航空、KLMオランダ航空、エールフランス、イベリア航空があります。主に保有機材となるB737ではたどり着けない長距離路線となります。一方で、北米ではスターアライアンスに加盟するユナイテッド航空以外にパートナーはいませんでした。
コパ航空は、今後も北米地域はスターアライアンス加盟のユナイテッド航空に任せ、自社の強みである中米エリアのネットワークを維持することでしょう。現に、北米地域の就航地域が少ないことも今後の方針を踏まえての考えと思われます。
コパ航空に乗ってセントマーチン島へ行ってみたいですね。