先日、JALのLCC子会社であるZIP AIRが成田-サンノゼ(米国)便の就航を発表しました。これにて、ZIP AIRが就航する都市は合計6都市となります。ZIP AIRは2019年に会社が設立されましたが、新型コロナウイルス感染拡大により2020年は貨物のみでの運行を開始することになりました。しかし、困難な状況下であったものの着実に搭乗率が望める路線から旅客輸送を開始し、今回、新たな路線を開設することができました。

  • シンガポール
  • バンコク
  • ソウル
  • ロサンゼルス
  • ホノルル
  • サンノゼ

    ZIP AIRの搭乗レビューを見ていますと高評価が多い状況に感じられます。また、2022年夏季休暇(お盆期間)中の搭乗率は日本発が最高87.2%(8/11)、海外発は最高77.9%となりました。そこで、今回はZIP AIRがなぜ好評なのかを分析しました。ポイントは以下の3点です。

    • 大手航空会社に比べると安価であること
    • 機内WiFiが無料であること
    • 日系長距離LCCであること

    まず、”大手航空会社に比べると安価であること”について解説します。ZIP AIRはLCCであることから、当然、大手航空会社よりも安価であることは乗客から選ばれるために必須です。

    例えば、12月の成田→ホノルル便の航空券をJAL、ZIP AIRの2社にて比較しました。(12月3日)

    JALの運賃は下記の通りです。往復運賃(153,540円)を片道に換算すると、76,770円となります。

    ZIP AIRの運賃は下記の通りです。シンプルな料金体系であり、片道38,839円となります。

    結果、ZIP AIRがJALよりも37,931円安価でした。(価格は変動制します)

    ZIP AIRが安価である理由はいくつかありますが、大手航空会社と違い燃油サーチャージが掛からないことが原油高の状況では大きく影響しています。上記のJALとZIP AIRの運賃比較では、燃油サーチャージ+諸経費のみで37,520円(JAL往復分の燃油サーチャージ+諸経費にて75,040円)の違いが発生しています。


    続いて、”機内WiFiが無料であること”について解説します。ZIP AIRはLCCであることから大手航空会社の国際線機材では当たり前である個人用モニターが付いていません。そのため、飛行時間の長い国際線では映画や飛行位置を確認するためのマップが見られず時間を持て余してしまうように思う人もいるかもしれません。しかし、ZIP AIRは個人用モニターの代わりにWiFiが搭載されています。しかも、大手航空会社のANAやJALでは有料であるところ、ZIP AIRは無料で提供されています。通信速度は速くないため、Youtubeなどの動画サイトのダウンロードはできませんが、LINEやTwitterといったSNSの使用は可能です。また、機内WiFiを通じて個人用モニターの代わりに自分自身のスマホやタブレットを通じて映画やマップを視聴することが可能です。

    国内線ではANAやJAL共にWiFiを無料で提供しているため、ZIP AIRの機内では国内線と同じ感覚で過ごすことができそうです。

    ZIP AIR HPより

    最後に、”日系長距離LCCであること”について解説します。搭乗レビューを見ていると、客室乗務員は日本人が多いようです。そのため、機内でのコミュニケーションに困ることはありません。そして、LCCの弱点である分かりにくいウェブサイトについては、海外系LCCは無理やり英語版を日本語版にしていることから、日本人の思考や自然な日本語になっていないケースがあります。しかし、日系LCCであるZIP AIRはウェブサイトの難点を初めから対策し、予約しやすい画面になっています。


    以上、ZIP AIRが好調な理由を解説しました。長距離LCCがビジネスモデルとして成功しないと言われていますが、ZIP AIRはこのまま好調を続けてもらいたいものです。

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