”JAL A350-1000初投入路線を予想してみた”の続編として、今回はJAL A350-1000が本格投入される路線を予想してみます。A350-1000が2023年のいつ導入されるのか日時、路線、更には機内仕様についてもまだ発表されていませんので、あくまでも筆者の独自予想となります。
先日の記事にも記載しましたが、初投入される路線は慣熟飛行としてアジア便になると予想しています。一方で、本格投入される路線には慣熟飛行として就航する路線とは異なる要素が必要となります。それは以下の3点です。
- ファーストクラスが設置されていること
- 乗客の多い路線
- 貨物の取扱いの多い路線
まず、”ファーストクラスが設置されていること”について解説します。A350-1000型はB777-300ER型の代替としてJALが2023年に導入予定です。そのため、B777-300ER型と同様に4クラス制を採用する可能性が高いです。4クラス制とは、ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4つの座席区分に分かれていることです。特にファーストクラスは最も高額な座席となり、例えば羽田ーニューヨーク路線では片道200万円程となります。B777-300ER型では8席用意されています。そのため、A350-1000型の就航路線はファーストクラスの需要が高い路線が優先されることになります。
続いて、”乗客の多い路線”について解説します。B777-300ER型は244席が搭載されており、JALの国際線機材では最も多い機体です。そのため、就航する路線ではこのキャパシティを埋めることのできる搭乗率の高い路線が優先されます。
最後に、”貨物の取扱いの多い路線”について解説します。A350-1000型はLD3コンテナを44個搭載可能です。この数量はB777-300ER型と同等となります。昨今は新型コロナウイルス影響により港湾のロックダウンや人手不足により船便の停滞が見受けられることから、航空便の需要が高止まりしています。そのため、どの路線も航空貨物需要は高い状況が続いていることを好機捉え、不安定な旅客需要と航空貨物需要の二本柱で路線の収益率を高められる就航地が選定されると考えられます。
これら3つの要素を満たす路線を現在就航しているネットワークの中から検討した結果、以下が当てはまりました。
- ロサンゼルス国際空港
- ニューヨーク・JFK国際空港
- シカゴ・オヘア国際空港
その中で最有力候補はロサンゼルス国際空港です。通称LAXです。LAXはアメリカ西海岸の最大の旅客数を誇る空港で、全世界でも3位の年間旅客数を誇ります(コロナ禍前の2019年実績)。そのため、アメリカのハブ空港であるLAXには、JALは羽田空港から毎日1便(B777-300ER型)、成田空港から毎日2便(B777-300ER型とB787-9型)の計3便も就航させています。そのため、旅客および貨物の需要は高いことが伺えます。また、アメリカン航空のハブ空港としてLAXは位置づけられており、アメリカだけではなく南アメリカへの乗り継ぎ需要も満たすことができます。もちろん、ファーストクラスの需要も高いと考えられます。
よって、本格導入される路線はロサンゼルス国際空港になると筆者は予想します。
一方で、大穴としては、サンフランシスコ国際空港も想定しました。その理由としては、JL1便というエアラインにとって重要視するトップナンバーが設定されているためです。他の理由としても、ワンワールドアライアンスメンバーのアラスカ航空がハブ空港として同空港を使用しています。但し、ロサンゼルス国際空港よりは実需としては魅力度は低く、歴史を重んじる場合はサンフランシスコ国際空港が選定されるかもしれません。
いずれにしても、JALによる発表を待ちたいところです。