2023年10月02日、JALの公式発表としてA350-1000型機に搭載するシートが発表となりました。現在のJALフラッグシップであるB777-300ER型機の発表から約20年が経過し、その後に導入された現在のシート”JAL SUITE”の後継シートに注目が集まっていました。リニューアルされるシートは、ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスと4クラスすべでであり、今回はファーストクラスを解説します。


新たに導入されるファーストクラスの特徴は以下の3点です。

  • 横1-1-1の2列配置
  • JAL初の扉付き
  • ヘッドレスト内蔵のスピーカー

横1-1-1の2列配置

現行のB777-300ER型機からA350-1000型機にダウンサイジングとなる一方、新型ファーストクラスは2列配置を維持し、更に横幅に余裕を持たせるべく1-1-1の横3席配置という豪華な仕様となっております。JALに先駆けてファーストクラスのリニューアルを行ったANAにおいては、従来通りの1-2-1の横4席配置となっていたことから、JALはANAの新シートよりも優れたシートを発表する必要があったことから、横幅の広い1-1-1の3席を採用したと考えられます。

JAL ウェブサイトより引用

JAL初の扉付き

今回、JALでは初めての扉付きファーストクラスのシートとなりました。現在の航空業界のトレンドとしては、ファーストクラスだけではなくビジネスクラスにおいても扉付きとすることで、搭乗客が求める個室化・プライベート空間の確保が必要となっています。そのため、従来は客室乗務員からファーストクラス乗客の仕草(例えば、何かを求めているようなアイコンタクトや、食事が終わった頃合いを見計らってのデザートの提供など)を見やすくし、おもてなしを高めるうえでパーテーションを低く設定していたと言われていますが、トレンドを意識しての個室空間となりました。

JAL ウェブサイトより引用

ヘッドレスト内蔵のスピーカー

JAL ウェブサイトより引用

”機内エンターテインメントシステムをさらにお楽しみいただけるよう、世界で初めてヘッドフォン不要のヘッドレスト内蔵スピーカーを導入”

この説明には驚きました。機内ではエンジンノイズが大きいため、ファーストクラスおよびビジネスクラス以上の上級席では、ノイズキャンセリングヘッドホンを装着して映画などの動画コンテンツや音楽を楽しむことが一般的です。しかし、JALのA350-1000型機では、ファーストクラスとビジネスクラスにスピーカーを導入したとのことです。筆者自身、A350-900型機に搭乗したことがあり、確かに機内騒音はB777-300ER型機と比較し、かなり低減されていることを感じましたが、スピーカーと耳との空間に入り込むノイズに対してどの程度、対策が施されているかは未知数です。そのため、就航後はこのスピーカーに関するユーザーレビューを待ちたいと思います。


就航日に関して、当初は11月下旬との案内でしたが、サプライチェーンの遅れに伴い年内就航との案内に留まっています。初就航は東京(羽田)=ニューヨーク線(JL006/JL005)とアナウンスされており、就航が楽しみですね。

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