28年前の今日9月5日は、ベストセラー機であるB737-800型機がローンチ(開発開始)になった日となります。(1994年9月5日)

B737-800はB737NGシリーズの中で最も多く生産された機体であり、その数は5,000機以上となります。そのため、B737を愛用する日本国内のエアラインにおいて、よく見かける機体です。そんな機体ですが、既に後継機種が販売されていることから2019年に生産は終了しています。B787と違い人気のない機体ではありますが、日本の航空史において無くてはならない機体であることから、今回はB737-800の栄光ある活躍にスポットを当てたいと思います。

筆者撮影

B737-800を語る上でポイントとなる点は3点です。

  • B737クラシックシリーズの置き換え
  • 多頻度運航の切り札
  • 国際線への進出

まずは、”B737クラシックシリーズの置き換え”についてです。B737-800はB737NGシリーズの1機種であり、NGはネクストジェネレーションの略語となります。以下、簡単にB737シリーズを説明します。

B737オリジナルB737-100,-200
B737クラシックB737-300,-400,-500
B737NG(ネクストジェネレーション)B737-600,-700,-700ER,-800,-900,-900ER
B737MAXB737MAX7,MAX8,MAX200, MAX9,MAX10

日本のエアラインにおいて、B737クラシックはB737オリジナルとB727の置き換えとしてANA, JAL共に導入されました。そのため、B737-800はそれらクラシックの後継機種として、ANAは40機、JALグループ(日本トランスオーシャン航空含む)は62機が導入されました。

筆者撮影

続いて、”多頻度運航の切り札”について説明します。B737-800の導入が進められた2000年代~2010年代においては国内線においてB777やB787が導入された一方で、B747が退役することで機材のダウンサイジングが進められていました。特に、羽田空港においてはD滑走路の運用開始により発着枠に余裕が出たことで、地方路線は従来B767にて2往復/日していた路線をB737にて3往復/日に変更することで利用者の利便性が図られました。また、新幹線との競合により、乗客の少ない早朝や夜の遅い時間帯の到着便の機材をB777やB767といった中~大型機からB737に変更するケースも見られるようになりました。機数の多いB737はエアラインと利用者がWin-Winとなる関係性構築に一役買いました。

筆者撮影

最後に、”国際線への進出”についてです。B737クラシックでは国際線への就航は果たすことができませんでしたが、B737-800は定期路線への就航を果たしています。この理由として、先述の多頻度運航とも関連しますが、乗客の少ない路線や時間帯においても国際線需要がある場合、B737-800がアサインされました。航続距離の観点で主に近距離アジア便(ソウル、台北、上海、等)にて使用されました。

筆者撮影

筆者自身もB737-800は地方路線だけではなく、早朝の羽田発着の幹線、台北便にて利用したことがあります。「またB737-800か・・・」と少し残念に思う時もしばしばありましたが、頻繁に登場する機会があるということは日本の航空ネットワーク構築の重要な役割を担っていることです。そのため、次回搭乗する機会があれば、労をねぎらいたいと思います。

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